歌ってみたの録音をしたいと思って、機材を揃えていざ実践!…しようと思って、壁にぶつかったことはありませんか?
どんな風に録音したらいいかわからないし、データってどうやって送ればいいの…?
こういった悩みを持った方は少なからずいるでしょう。
今回はそういった歌ってみたの録音を初めてやる方向けに、歌ってみたの録音方法や、MIX師に依頼をする際のデータの送付方法についてご説明したいと思います。
慣れればそんなに難しくないから、頑張って覚えましょうね!
録音をする前に確認しておいた方がいいこと
歌ってみたの録音をするためにオーディオインターフェースやマイクなど、様々な機材を購入している方が多くいらっしゃるでしょう。
そういった機材を使って綺麗に録音するためには、確認しなければならないことがあります。
マイキング(マイクの位置調整)をする
歌を録音するために自身に適したマイクを選んだり、マイクの距離や高さを適切な位置に調整することを「マイキング」といいます。
ご自身が歌う環境(部屋の広さや高さ)によってマイクの適切な距離が変わりますので、まずはそちらをチェックしてみましょう。
どうやってチェックすればいいの?
まずは、マイクとポップガード(ポップノイズなどの吹かれ音や飛沫を防ぐフィルター)の距離感を5cmほど離してみましょう。
続いて、ポップガードから口までの距離を5~10cmほど離して、実際に録音をしてみます。
録音した音声をチェックする際、以下のことに注意して聴いてみてください。
録音した音源を聴いてみて部屋鳴りやノイズが気になる場合は、マイクと口の距離を近づけてみたり録音する場所などを変えてみましょう。
何度か繰り返し、部屋鳴りやノイズが少なく感じるようになったらバッチリです。
特にご自宅で録音される方は防音環境が整っていないことが多いため、部屋鳴りが多く入りやすい傾向にあります。
上記のポイントを抑えておくだけでも録音の質は格段と向上しますので、ぜひお試しください。
サンプルレートやビットレートを確認しよう
サンプルレートやビットレートというのは、音の解像度(端的に説明すると音質)に関係してくる値です。
録音を始める際に、DAW上でプロジェクト(録音等をするための場所)を作成する必要があります。
サンプルレートやビットレートを設定する際は、最低【44.1kHz/16bit】以上で設定するようにしましょう。
オーディオインターフェースや、PCの環境にもよりますが、おすすめは【48kHz/24bit】以上をおすすめします。
実践!まずは録音してみよう
ここまでで録音前に注意したいことについて説明しました。
次は実際に録音を始めるときの注意点がありますのでご説明していきます。
プロジェクトを作ったらトラックを作成してみよう
プロジェクトを作成することができたら、トラックを作ってみましょう。
トラックとは、楽曲の音声データを分割して取り扱うための仕切りのようなものを指します。
トラックを作成する際に注意いただきたい点として、「歌のトラックはモノラルで作成する」という点です。
ステレオで録音されたトラックはMIX師の方でモノラルに変換してしまうことがほとんどなので、録音の段階でモノラルにすることで、ひと手間を減らすことが可能です。
音割れが出ないように音量を調整しよう
録音を始めた際に、まずは注意すべき点として録音データの音量に注意が必要となります。
DAW側のフェーダーを0dBに合わせた状態で、入力音量が0dBを超えないように設定しなければなりません。
音量を調整するためのフェーダー。ここは0dBのままにしておきましょう。
上記の設定が終わったら、まずは歌いたい曲のサビ部分を歌ってみましょう。
曲でいうサビ部分は歌っている中で一番音量が大きくなることが多いため、まずはサビを歌って音量をチェックするのがおすすめです。
音量の目安として、一番大きい音量の部分が【-6dB】以内に収まるように音量を調整しましょう。
音割れ(クリップ)に注意!
入力した音量が0dBを超えてしまうと、いわゆる音割れ(クリップ)が発生します。音割れを起こしてしまったデータは、基本的にはあえてそうしたという理由ではない限り使い物にならないデータになってしまっていると言っても過言ではありません。
ご自身で録音した音声が音割れを起こしている音声なのかどうかの判断方法として、次の画像を参考にしてみてください。
上記の画像のように上の波形を見ていただくと音量が大きすぎて入力音量が耐えきれず、波形の山の部分が直線に潰れてしまっているのが分かるでしょう。
このような波形は、再生すると音割れが発生しビリビリしたような音が再生されます。
比べて下の波形を見てみると、音量がしっかりと収まっていて波形の山の部分がきれいに録音されているのが分かると思います。
こういった状態で録音されているのがベストなので、画像を参考に録音してみましょう。
パートごとに名前をつけよう
メインパート・ハモリ・ガヤなど録音がある程度終わったら、トラックごとに名前をつけましょう。
メインパートであれば「Main」、ハモリパートであれば「Hamo1」や「Hamo_Up」などの名前をつけるのがわかりやすくおすすめです。
何でメインパートが3つもあるの?
歌ってるときにどうしても歌の部分が重なってしまう部分があったりするでしょ?そういう場合は分けて録音するから、トラックが増えるのよ。
なるほどね!1トラックで重ねて録音しちゃうところだった…。
頭出しをしよう
歌ってみたのMIXを依頼する際に、MIX師のサイトの注意書きに「頭出しをしてください」と記載されていることがあります。
頭出しってなに?
頭出しとは、インスト音源(歌が入っていないカラオケ音源)と歌の歌い始めをしっかりタイミングを合わせて、無音の部分も合わせて書き出すことを指します。
タイミングを合わせた上で無音部分も書き出すことによって、こちらも同様MIX前の一手間を減らすことが可能です。
具体的にどうやるの?
それでは頭出しのやり方について触れていきます。まずは曲と歌のタイミングを、適切なタイミングに合わせましょう。次の画像を参考にしてみてください。
データを整える際歌っていない部分を切り取ったりして整理することになるかと思いますが、その際に【無音部分を切りすぎない】ことが重要になります。
無音部分を切り取りすぎてしまうと、MIX師側でノイズ処理を行う際ノイズを減衰させるのが難しくなってしまいます。
そのため、歌い出しの前の無音部分は1秒以上残すと、後々MIX師がノイズ処理を行う際に役立ちます。
書き出す範囲を設定しよう
データの整理が終わったら、書き出す範囲を設定しましょう。次の画像を参考にしてください。
上記の画像のように、インスト音源と同じ長さで指定する必要があります。こちらは忘れず設定するようにしましょう。
録音が終わったら書き出してみよう
録音が終わったらそのデータを実際に書き出して(データとしてファイル化する)みましょう。
その際の注意点として【1トラックずつ書き出す】ことが重要です。
1トラックずつ書き出さないとMIX師側で編集することができなくなってしまうので、こちらは必ず行うようにしましょう。
DAWごとに書き出し方法が違いますので、DAWごとのマニュアルを参照してください。
フォルダにも名前をつけよう
ここまできたらもう終盤です。指定したフォルダに書き出したファイルができましたら、それらを収納するためのフォルダを作成しましょう。
【名前_曲名_日付】などの名前をつけ、わかりやすいようにしましょう。
このようにフォルダが作成できましたら、ファイルをフォルダに格納してください。
フォルダに格納する際のファイルの注意点として、インスト音源はダウンロードしたままのファイルを格納するようにしましょう。
DAWに読み込んでたカラオケを書き出したものじゃだめなの?
書き出したものを使ってしまうと音量が変わっていたり、サンプルレートやビットレートが変わっちゃったりするからあまりおすすめしないわね。
最後にフォルダを圧縮しよう
圧縮したフォルダ。
ここまできたらあとはフォルダを圧縮するだけです。
圧縮することによりフォルダの容量サイズが小さくなり扱いやすいデータとなりますので、圧縮することを推奨します。
お疲れ様でした!あとは依頼をするだけ!
ここまでたどり着くのに録音の時間含め長時間かかったことでしょう。本当にお疲れ様です。
圧縮したフォルダを用意できましたら、依頼したいMIX師に依頼をしましょう。
MIX師ごとに決められた依頼のフォーマットがありますので、それに従って依頼するようにしてください。
ここまで本当にお疲れ様よ。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
歌ってみたの録音はハードルが高いと思われがちですが、気をつけるポイントさえ分かってしまえばそこまで難しくないということがわかりました。
質の良い録音をした上で、歌い手としての初めの一歩を歩んでみましょう。
本記事が参考になれば幸いです。
もしほかに分からないことがある場合、XのDM等でお気軽にご相談ください。